アギーレ八百長疑惑とスペイン・フットボールの奇妙な現象

「やっぱりか・・・」というのが、一連の八百長疑惑記事を最初に目にしたときの感想でした。

海外サッカーを真面目に見始めてかれこれ10年ほど、
主要各リーグの動向を見て、それぞれに「特徴」があるものの、どうも腑に落ちない点がいくつかありました。
その1つがリーガ・エスパニョーラの終盤戦に起こる奇妙な「譲り合い」です。

クラブごとの資金力格差の大きさが常日頃から話題になるこのリーグですが、
その中でも資金力・チーム力に劣るいわゆる「弱小クラブ」同士の戦いになると、
なぜか降格圏のチームが勝利する事が多く……もっと言えばその年は比較的安全な勝ち点をとっている方の弱小クラブが
酷く無気力な内容で相手に勝ち点をプレゼントするような試合をする事が度々見られます。
日本代表のアギーレ監督が所属していたレアル・サラゴサはその恩恵を受けた典型例で
何度も降格圏からシーズン最終盤に奇跡とも言える残留劇を繰り返してきました。

この現象、安全圏のチームと降格の危機感があるチームとの必死さの差と説明できなくもないですが、
安全圏のチーム同士が当たる場合や、中堅以上の財力を持ったチームと試合をする際には
あまりこういった無気力な内容というのはなぜか起きないのです。

『安全圏の弱小チームが、降格圏の弱小チームに』当たる時だけ起こる現象。
3年前、名門のビジャレアルがあっさりと降格してしまって世間を驚かせましたが、
この現象の恩恵を受けられなかったことが一因だと私は考えています。

では、これは八百長なのか?といわれると、そこは分かりません。
むしろ金銭の受け渡しや明確な談合などはなかったのではないかと考えています。
この現象が、毎シーズン降格の危機におびえる弱小同士で起こる事を考えると、暗にこう言っているように感じるのです。
『今年はうちは余裕があるからそっちに勝ち点をあげるよ、だからうちが危ない時は頼むよ』
そういった暗黙の了解があるのではと、
ある意味これは資金力の差から来る戦力格差に向き合わなければならないスペインのクラブの
生き残りのための知恵なのではないかと。

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